初試合の前日、恭介はリトルバスターズのリーダーを降り、理樹に全てを任せると言い出す。
だが、突然のリーダー就任に戸惑う理樹にはチームをまとめるのは困難だった。
「恭介の後についていくと、いつも楽しいことが待っていた」と、理樹は幼い頃のことを思い返す。
そして、ずっと恭介の背中に守られてきた自分にはリーダーは務まらないのではないかと思い悩むのだった。
恭介は「いつまでも俺を頼っちゃいけないんだ」と理樹を励ますのだが……。
野球チーム・リトルバスターズとしての初試合が決まった。
まだメンバーはマネージャーの美魚を除いて8人しかいなかったが、恭介にはアテがあるらしく、心配はいらないと言う。
一方、メンバーとは距離を置き、ひとりで剣道の大会に備えていた謙吾だったが、
弓道部の天才少女と呼ばれた古式みゆきと何やら深刻そうな話をしているのを理樹たちに目撃される。
古式はある理由で謙吾に相談をしていたと言うのだが……。
人見知りだった鈴も、小毬のおかげでだいぶ変わってきていた。
そんな鈴にまた猫のレノンが手紙を運んでくる。今度の指令は「人形劇をせよ」というもの。
そしてその指令の通りに、鈴は成り行きで子どもたちのために人形劇をやることになってしまう。
童話作りが得意な小毬が協力してくれることになったが、理樹は小毬が作った「八人のこびと」の話が心に引っかかっていた。
鈴は小毬といっしょにペンギンや星のぬいぐるみを作り、夜通しがんばるのだった。
クドの母国テヴアのニュースに耳をそばだてるのが理樹たちの日課になっていた。
だが、聞こえてくるのは悪いニュースばかり。
テヴアの空と海は変わらずに美しいのに、地上では悲惨な光景が繰り広げられていた。
理樹はクドに間違った選択をさせてしまったのではないかと後悔する。
クドが大事にしていたロケットの部品をお守り代わりに願いをかける理樹。
理樹の想いは、そしてクドの想いは遠い空を越えて届くのだろうか。
テレビのニュースはクドの母国テヴアからの映像を伝えていた。
悪化していくテヴアの状況に理樹たちは呆然。
ショックで倒れてしまったクドは目を覚ますと「全部、思いだしました……!」とつぶやく。
大使館からクドが帰国するための航空券が届けられたものの、彼女は故郷にいる母に会いたいがテヴアには帰れないと言う。
「だってわたしは、ここへ……日本へ逃げてきたのですから……」。
危険を冒してでも帰るべきか仲間の元に残るべきか、クドは葛藤する。
野球の練習や部室の掃除で楽しく充実した時間を過ごし、リトルバスターズは今日も絶好調。
そんな中、何気ない雑談からクドは自分や愛犬たちの名前の由来を語り、理樹たちは彼女の生い立ちを少しずつ知る。
その日の夜遅く、理樹は中庭でクドの姿を見かけ、その神秘的な姿に息を呑む。
母国のテヴアに伝わるおまじないの儀式をしているのだというクドは、理樹に儀式を手伝ってほしいと頼む。
満天の星空の下、ふたりだけの秘密の儀式が始まる――。
女子ソフトボール部のエース・笹瀬川佐々美はリトルバスターズのメンバーが
グラウンドを使って練習していることに文句をつけ、鈴と一打席勝負で決着をつけることに。
勝負の後、猫と戯れていた鈴はまた猫のしっぽに手紙が巻いてあるのを発見する。
「2-A1番の恋わずらいを癒せ」という指令に従って、ある生徒の恋愛相談を受ける鈴と理樹。
だが、その片思いの相手が意外すぎて仰天する。
それでもふたりはあの手この手で仲を取り持とうと奔走するのだが……。
“クド”こと能美クドリャフカは退屈な授業でも熱心に聴いているマジメな子。
だが、クォーターなのに英語の発音は苦手で、授業で当てられて恥をかいてしまう。
「わふ~……」と悲しげにため息をつく彼女のために、
リトルバスターズのメンバーみんなで勉強を教え合って実力テストを受けることに。
勉強では苦戦するクドだったが、話せば話すほど意外な素顔が明らかになる。
テスト当日、実力を出し切って赤点を回避することはできるのだろうか……?
葉留佳の味方をする理樹の本心を試すため、佳奈多は巧妙な罠を仕掛けていた。
葉留佳はその姿を見て、激しく動揺する。
降りしきる雨の中、にらみ合う葉留佳と佳奈多。
だが、葉留佳を激しく責めながらも、佳奈多の表情はどこか寂しげなように見えた。
佳奈多の真意を探り、恭介の助言によって自分がなすべきことを悟った理樹は、葉留佳と話し合い、ひとつの答えを見つける。
そして、全てを吹っ切り、気持ちを決めた葉留佳は佳奈多の前に立つ――。
何者かがバラ撒ばらまいた誹謗中傷のビラに傷ついた葉留佳は、自らの生い立ちを語り出す。
そのあまりに過酷な運命に、理樹たちは衝撃を受ける。
心無いビラによって悪評が広まり、「またここでも居場所がなくなる……」と脅える葉留佳。
だがすでにリトルバスターズのかけがえのない仲間になっていた葉留佳を、メンバーみんなが必死に励ます。
そして葉留佳は自らの運命と向き合い、出生の秘密を探ることを決心。
理樹と共にある人物に会いに行くのだが……。
いたずら好きの三枝葉留佳は、今日も校則違反で風紀委員たちに追われる身。
理樹たちが彼女を見つけて声をかけると、追っ手を逃れてお気に入りのベンチを補修しに行くところだった。
するとそこへ風紀委員長の二木佳奈多がやってきて、冷たい眼差しで葉留佳を糾弾する。
理樹たちはそんな佳奈多に反発するが、葉留佳は風紀委員会へと連行されてしまう。
だが委員会で風紀委員たちから身に覚えのない罪で非難されると、葉留佳は激高する。
夜、小毬とクドが男子寮にやってきて、理樹を呼び出す。
だが話を聞くと大変な用事でもないらしく、理樹は恭介たちと部屋で遊ぶことを選択する。
男子だけで盛り上がっていると、今度は鈴から「一人で来て」というメールが……。
ただならぬ雰囲気を感じた理樹は女子寮に忍び込み、鈴の部屋をノックする。
すると、そこにはリトルバスターズの女子メンバー全員が待ち構えていた。
理樹にとっては悪夢の、女子にとってはお楽しみの一夜が始まる――。
どんなことも過ぎてしまえば急速に色あせていく。
中庭の樹の下で本を読んでいた美魚を最後に見たのはいつだっただろうか。
彼女はどんな女の子だったのだろうか――。
理樹の記憶はあいまいになって、美魚のことを忘れてしまいそうな不安に陥っていた。
理樹は悩んだ末に恭介に助言を求め、重要なミッションを与えられる。
そして美魚の面影を探し歩き、ついに彼女が確かにこの世界にいたという、
たったひとつの手がかりを思い出すのだった。
美魚はもう何日も学校を休んでいた。
理樹も雷鳴の中に立つ彼女を見かけて以来、会うこともできないでいた。
やがてクラスメイトはもちろん、仲が良かったメンバーたちさえも美魚のことを話題にしなくなっていく。
いつもと違う、何とも言いがたいぼんやりした感覚――そんな漠然とした不安の中、
理樹は中庭で久しぶりに美魚の姿を見つける。
いつもと変わらぬ微笑みを浮かべる美魚だったが、その瞳はどこか寂しげでもあった――。
理樹はいつもひとりで読書している美魚を野球チームのマネージャーに勧誘する。
メンバーに温かく迎えられた美魚は、みんなと短歌を作ったりしてすぐに打ち解けたように思えた。
ところが美魚は大勢の人たちとわいわい過ごすことに戸惑いを感じたのか、
ふと気がつくとメンバーの輪の中からいなくなっていた。
いつものようにひとりで鳥にえさをやっていた美魚を見つけた理樹は、
彼女と話しているうちになぜか不安がこみあげてくるのだった。
恭介の思いつきで納涼肝試し大会をすることになり、いつものようにメンバーが集められる。
美魚から校舎には「出る」らしいと聞いた鈴たちは始まる前からおじけづく。
チーム分けして、校舎に隠したお札を探してくるというのが今夜のミッション。
怖がりな女子も恭介が仕掛けた罠に脅えながら校舎を探索する。
ところが、そんな理樹たちをどこからか見つめる黒い影が……。
ただの余興のつもりが、本物の怨霊を呼び寄せてしまった!?
野球の練習中、ボールを探していた理樹は物静かな少女・美魚と出会う。
いつも中庭の木陰で日傘を差し、ひとりで読書をしている彼女が何となく気になる理樹。
時に辛らつな彼女の言動に最初はとまどうものの、昼食をもらったりしてしだいに打ち解けていく。
美魚はある一冊の本を大事そうに読んでいたが、どんな本なのか聞いても教えてはくれなかった。
ところが体育の授業の時にその本をなくしてしまい、理樹がいっしょに探してあげることに。
人見知りの鈴はなかなかメンバーの女の子に心を開くことができないでいた。
仲間たちから離れて猫と遊んでいると、その中の一匹の足に手紙が巻かれているのを見つける。
「世界の秘密」を教えてくれるというその手紙には、「学食を救え」と二番目の課題が書かれていた。
さっそく学食へ向かう理樹と鈴。
些細なことから佐々美とバトルになったりしたものの、学食には問題はなさそうだった。
この課題はいったい何を意味するのか……?
まだまだ続く野球のメンバー探し。
愛犬たちとフリスビー遊びをするクドの俊敏な動きを見た理樹は、彼女を野球チームにスカウトして入団テストを受けてもらうことに……。
そんなクドは目下、寮のルームメイトを募集中だった。
日本に来てからなかなか友達ができないクドの寂しそうな表情を見た理樹は、ルームメイト探しを手伝う。
だが、知り合いの女の子に声をかけてみるもののルームメイトはなかなか見つからず、ふたりは途方に暮れるのだった。
野球の練習に励むリトルバスターズの面々だったが、まだまだメンバーは足りない。
そこでメンバー集めの任務を託された理樹は、隣のクラスの三枝葉留佳を誘ってみようと考える。
しかし葉留佳はいたずら好きのトラブルメーカー。
いつものように風紀委員に追いかけられた彼女は、理樹を巻き込んで騒がしく逃走する。
風紀委員を手玉にとる葉留佳。
だが、冷たい瞳をした風紀委員長・佳奈多が現れると明るかった表情が急に曇りだす。
理樹との思い出探しから帰った小毬は、ついに兄のことを全て思い出す。
だが、その真実は小毬にとってあまりに過酷で、彼女は混乱してしまう。
フラッシュバックを起こすたびに辛い思い出を夢と思うことでその悲しみから身を守ってきた小毬。
そんな彼女を前になすすべがない理樹だったが、恭介の励ましで小毬の笑顔を取り戻そうと決意。
リトルバスターズの仲間たちが優しく見守る中、理樹は小毬を助けるために動き出す。
野球の練習中は鈴たちとじゃれあって楽しく過ごす小毬だったが、夢の中の兄のことを思うとせつない笑顔を浮かべる。
理樹はそんな小毬のために兄を探すことを決意する。小毬の兄は本当にいるのだろうか。それとも……?
その夜、小毬は流星群を見ようと理樹を屋上へ誘う。お菓子を食べながら、星に願いをかけるふたり。
夜が明ける頃、最後の流れ星を見た小毬はふと何かを思い出す。そして週末、理樹と小毬はふたりきりで郊外へ行く。
彼女のなくしもの、小毬の思い出を探しに……。
前向きで人懐っこい小毬は人見知りの鈴との距離も少し縮まり、すっかり大事なメンバーの一員になっていた。
ある日の昼休み、屋上で昼寝していた小毬を見つけた理樹は「お……おにいちゃん……?」という寝言を聞いてしまう。
小毬に話を聞くと、彼女は本当はひとりっ子で、いつも夢の中にだけ兄が現れてちょっぴり悲しいお話の絵本を読んでくれるのだという。
だがその後、小毬は夢の中に出てきた手作りの絵本が実家にあるのを見つけてしまうのだった――。
野球チーム・リトルバスターズはあと4人メンバーを必要としていた。
そんな時、理樹に声をかけたのが姉御肌のクラスメイト、来ヶ谷唯湖だった。
中庭で理樹をお茶に誘った唯湖は「可愛いものは好きだよ」などと言って理樹をからかう。
クラスでも謎の存在だった唯湖だが、親しく話してみると理樹たちが野球チームを作ったのに興味がある様子だった。
だがその後、彼女はメンバーの真人と衝突。恭介の審判でバトルをすることになる。
屈強の筋肉男・真人を前に唯湖は不敵に微笑むのだった。
理樹は屋上でこっそりお菓子を食べていたクラスメイトの小毬に出会う。
前向きでのんびりした性格の小毬と親しくなった理樹は、彼女に野球チームのメンバー集めをしていることを話してみる。
あまり野球に興味がなさそうな小毬だったが、恭介の入団テストを受けることに……。
一方、いつものように猫をかわいがっていた鈴は、その中の一匹のしっぽに巻きついた手紙を発見。
そこには不思議なメッセージが書かれていた。
「きょーすけが帰ってきたぞーっ!」 同じ学園の寮で生活している理樹と幼なじみたち。 就職活動中の恭介が寮に帰ってきて、幼い頃から続いてきたお祭り騒ぎの日常も戻ってきた。 いつまでもこんな時間が続けばいいのに――そう願う理樹は、リーダーの恭介が何かわくわくすることを始めるのを期待していた。そこで恭介は「いましかできないことをしよう」と思いつき、野球チーム「リトルバスターズ」を結成! そして、人見知りの鈴が女子寮でメンバー集めをさせられることに……。